私の想像の翼は、閉じ込められても閉じ込められても、はばたき続けるの。アンネ・フランク 『アンネの日記』
1944年の8月4日、アンネ・フランクは逮捕され、アムステルダムの隠れ家から収容所へと連行された。彼女と同じ14歳の時、私は「アンネの日記」を読んだ。父への尊敬や母への反抗、隠れ家での小さな恋。思春期の少女の気持ちには、国や時代は関係ないことを知... More
草の上鵞鳥は小径を走る。彼女の影も小径を走る。鵞鳥は芝生を走る。彼女の影も芝生を走る。白い鵞鳥と彼女の影と走る走る――走るああ、鵞鳥は水に身を投げる!三好達治
七月三十日、七月三十一日、そして昨日からの続き。三好達治の『測量船』より「草の上」
草の上野原に出て坐つてゐると、私はあなたを待つてゐる。それはさうではないのだが、たしかな約束でもしたやうに、私はあなたを待つてゐる。それはさうではな... More
祖母祖母は蛍をかきあつめて桃の実やうに合わせた掌(て)の中から沢山な蛍をくれるのだ祖母は月光をかきあつめて桃の実のやうに合わせた掌の中から沢山な月光をくれるのだ三好 達治
しわくちゃの手の隙間から漏れるわずかな光。明滅するたびにほの明るく祖母の顔を照らす。山奥の神秘的な美しさ。手の甲に刻み込まれた皺には、今だ見知らぬ人生のドラマが刻まれているのだろ... More
rosieWell, I'm sitting on a windowsill, blowing my hornNobody's up except the moon and meAnd a lazy old tomcat on a midnight spreeAll that you left me was a melody...Tom Waits
これまでと趣向を変えて、今日は歌詞、そして英語の一文から。酔いどれ詩人こと、トムウェイツのデビューアルバム"Closing... More
鎌倉や御仏なれど釈迦牟尼は美男におはす夏木立かな与謝野晶子
鎌倉の大仏を詠った与謝野晶子の一首。大きな仏像に見惚れていると目に入ってくる、青々とした木々。仏像を見上げた時の青空と、緑の木立とその木陰。青と緑、日差しと影、色彩と光のコントラストを感じさせてくる。
与謝野晶子も見惚れた鎌倉の大仏様を拝顔したい方はこちら(高徳院-wikipadia)。確かに整った顔立ちをしていらっし... More
ひきのけて、空をみあげたれば、ことに晴れて、浅黄色なるに、ひかりことごとしき星のおほきなる、むらなく出でたる、なのめならずおもしろくて、花の紙に、箔をうち散らしたるによう似たり。こよひはじめてみそめたる心ちす。さきざきも星月夜みなれたることなれど、これはをりからにや、ことなる心ちするにつけても、ただ物のみおぼゆ。月をこそ ながめなれしか 星の世のふかきあわれを こよい知りぬる建礼門院右京大... More