山里なるところにありしをり、艶なる有明に起き出でて、まへちかき透垣に咲きたりしあさがほを、「ただ時のまのさかりにこそあはれなれ」とて見しことも、ただ今の心地するを、「人をも花は、げにさこそおもひけめ、なべてはかなきためしにあらざりける」など、思ひつづけらるることのみさまざまなり。
有明の 月に朝顔 見し折も 忘れがたきを いかで忘れむ
建礼門院右京の大夫
建礼門院右京大夫は、平清盛の娘である建礼門院徳子に仕えた女房。清盛の孫、平資盛の愛人でもあった。昨日からの続き。朝顔は、花の朝顔と恋人の朝の顔がかけられている。昨日の一首の次に、この句が続けられている。忘れがたい恋の相手、資盛を思って詠った一首。
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